振袖の色と柄の意味 2020年12月22日 オフ 投稿者: ota_kimonoonline 成人式で着る振袖は、お好みの色やデザインから選び、せっかくの晴れ姿をかわいく、おしゃれに着こなして、晴れの日をより素敵に過ごしたい!という女の子は多いはず。しかし、日常生活で着る機会がないからこそ、「どうやって選べばいいか分からない…」「いいものが沢山あって1つに決められない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?振袖にはその色や柄にさまざまな意味がこめられているのをご存じでしたか?その意味からお気に入りの一着を選ぶというのもおもしろいと思います♪そこで今回は、振袖の色や柄についてお伝えしていきます。 色について 振袖の色の定番色 一番人気の赤色 赤色は振袖の色として一番人気のある色です。赤は生命を示す色でもあり、また魔除けの色としても古くから使われてきました。 また、日本古来から赤色は禁色といわれ、高貴な人のみに許された色でもあります。 情熱的で尚且つ品格も兼ね備えた顔写りが冴える色です。 スタイリッシュで洗練されたイメージの青色 青色は空や海、瑠璃をイメージする自然の色であり、日本最古の染料である藍がベースになった色です。日本人が最も慣れ親しんだ色であり、またスタイリッシュなイメージから、最近では多くの振袖に採用され人気急上昇中です。 可愛らしさと優しさをイメージさせるピンク ピンクは和名で桃色として古くは万葉集でも出てくるなど、古来から用いられた色です。また桃の花や桜の花など春の花を連想させることから、可愛らしさと可憐さ、春の陽だまりのような優しさを表現する色として振袖の定番色の1つとして根強い人気です。 清楚さと清潔さをイメージさせる白色 白色は無彩色で黒の対義語であり、色を区別すための最初の言葉として使われました。日本最古の歴史書「古事記」でも「黒」、「赤」、「青」とならんで「白」が登場しています。白は純真無垢で潔白を表し、神事に関係ある神聖な色として特別な存在であり、古来から特別な場合にのみ着られてきており、ミスの第一礼装としてピッタリの色です。 高貴で古来より禁色とされた日本にとって最高位とされる紫色 紫は赤や藍と共に古くから用いられた色で、高貴なものという象徴的な意味が込められました。また宮廷では奈良時代に定められた「冠位十二階」の最高位の「大徳」当たる色が紫とされました。紫は神秘的でかつ奥行きのある色として、顔写りの映え、女性の美しさを引き立てる色として振袖では不動の人気を得ています。 振袖によく使われる柄について 草花文様 松竹梅をはじめとして、桜、牡丹、椿、蘭、菖蒲など、日本を代表する草花をあしらった柄は「吉祥文様」の1つされ、振袖ははじめとしたきものの柄に多く描かれています。また草花文様は水、鳥などの柄とも組み合わせで使われ、花鳥風月といわれる自然を組み合わせた表現としてきものの柄表現として最も代表的な文様とされています。 御所車 古来、天皇をはじめとした公家などの高貴な人たちが移動の際に使用した雅な牛車(ぎっしゃ)を表現した柄。振袖はもとより留袖や訪問着などのフォーマルなきものの柄として多く使われています。 束ね熨斗 熨斗はもともと鮑の肉を薄く引き伸ばし、紙の間に挟んで祝儀や進物や引き出物に添えたのが始まりとされています。またそれらを細長い帯状に模様化したのが熨斗文様と言われ、多くは数本を束ねた束ね熨斗として表現されています。振袖をはじめとした礼装のきものに多く使われています。 檜扇 (ひおうぎ) 檜扇はヒノキの薄い板の上部を絹糸で綴って、左右に長い飾り紐を付けた扇で、平安時代の貴族の装身具でした。華やかで雅な模様が扇に描かれており、その美しく豪華な表現と、扇が末広がりであることから縁起が良いとされ、きものや帯の柄として多く使われています。 貝桶 (かいおけ) 女性貴族の宮中で行われた「貝合わせ」と言われる貝の裏側に描かれた絵を合わせていく遊び(トランプで言う神経衰弱のようなもの)に使われた貝をしまった飾り箱。多くが桐や檜で作られたおり、その上に胡粉や顔料や金箔などで装飾されています。女性の美しさや可憐さを表現する柄として振袖を中心に華やかな文様として多く使われています。 正倉院華文 古くは古代の銅製の鏡の裏の飾り文様として多くみられ、別名「鏡文」とも言われています。また奈良の正倉院の宝物にはこの華文柄があしらわれた琵琶、飾り箱、染織品などが数多く収められており、高貴な柄としてフォーマルのきものに使われています。